【企画物語】とさ自由学校創設メンバーに学ぶ 子どもが主役の学校づくり

01.どんなイベントだったのか
高知県の緑豊かな地に佇む「とさ自由学校」。ここでは、子どもたちの笑顔が風に乗り、鮮やかな未来へと駆け巡っていた。その学校の礎を築いた一人であり、現在は教務主任として学校運営の中心を担われている難波先生(よっしー)に講演いただき、彼の教育への情熱を私たちに分け与えてくれた。
02.なぜ本イベントを企画したのか
夏のよく晴れた日に、私はこの学校を訪れた。
初対面とは思えぬ暖かさで迎えてくれた難波先生は、学校設立の背景や、プロジェクト学習の仕組みなどを熱く語ってくれた。とさ自由学校にかける熱意と、子どもたちの学びをより良くしたいという真剣な姿勢に心を打たれた。
とさ自由学校では、「子どもが主役」であるという価値観を大切にしている。「子どもの主体性」「主体的な学び」という言葉は教育現場でよく耳にし、目にするが、多くの学校では今でも教師主導の教育が行われがちで、子どもが置き去りにされることがあるように思う。定型化された学習方法、内容、ルール、学校行事など、例を挙げればきりがない。このイベントを企画したのは、教育現場で子どもたちがより「主体」になれるように、そしてそれをどう実践していくかを広めたいという願いから生まれた。
03.土佐じゆう学校はどんな学校か
とさ自由学校の教育方針は、「自ら学び、自ら成長するチカラがあふれ出す教育」である。そのため、学習の中心は子どもであり、大人はその伴走者となることを心掛けている。この方針に基づき、多様な教育活動を行っており、自然体験学習を核としたカリキュラム、異年齢のクラス編成、選択式の学習スタイル、支援に重きを置く教育スタンスなどである。
グループラーニング(GL)という体験学習を通じて、学習指導要領に沿った学びを実践し、子どもたちが実生活に根差した学習をしていること。さらに、子どもも大人も参加する全校会議を重視している。それは、学校の自治を実現するため、全員で意見を交換し、問題を議論し、解決策を探る過程を大切にしていた。
まさに子どもが主役ということ。学校は子どもたちのものであり、自分たちの問題は自分たちで話し合い、考え、解決していく。大人の思惑と異なる場合もあるとのことだが、子どもたちの決定を尊重し、失敗から学ぶことの価値を認めている。失敗は許され、完璧である必要はない。むしろ、失敗から学び、完璧を目指すプロセス自体が貴重な学びであると深く共感した。
Q.日本中の学校を回られているそうですが、ご自身を突き動かすエネルギーはどこから生まれてくるのでしょうか。読者にメッセージも込めてお願いします。
まず第一に、私がわくわくするからです。わくわくは自分自身をハッピーにします。日本全国には多くの素晴らしい学校や教室があり、そこには魅力的な先生方がいらっしゃいます。多くの学校を訪れ、先生方と出会うことで、教育の多様性と豊かさを実感し、多くの学びを得ることができます。もちろん、勤める学校や目の前の子どもたちを大切にすることは当たり前です。しかし、自分が重視することばかりに焦点を当てると、確証バイアスに陥りがちです。多くの繋がりを持ち、時には相談を求めたり、教室を見学して学んだりすることで、自分の実践を振り返る機会を持つことができます。
第二は、それが子どもたちの幸せに繋がるからです。一般的には、日本の教育は批判されることもあり、良い印象を持たれないこともあるかもしれません。しかし、日本全国には素晴らしい学校がたくさんあり、素敵な先生方もいらっしゃいます。公立や私立の学校だけでなく、様々なタイプの学校が創設されています。学校の選択肢が増え続け、より多くの子どもたちが自分に合った学校を選び、幸せに過ごせるようになっています。今回取り上げた「とさ自由学校」は私立の小学校ですが、この学校に通うことで救われる子どももいるでしょう。学校CHLOOSでの教育イベントを通じて、社会に情報を発信することで、それが何らかの助けになると信じて、私は活動を続けています。


学校CHLOOS|異業種×教育者の教育コミュニティ
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