【企画物語】議長が語る!!青森教育会議の今
7月31日に設置された青森県教育改革有識者会議の議長である大谷先生のセミナー。会社員から起業し、大学の学長まで務められた大谷先生が、日本の教育システムの課題と向き合い、開校したのがインフィニティ国際学院。自己紹介をしていただいた中で、令和の教育がどうあればよいのか、一つのカタチとしてインフィニティ国際学院をご紹介いただいた。中盤からは、11月上旬に発表された有識者会議の中間報告を紹介していただき、現在決定している次年度に向けての施策や、今後の展望などについてお話いただいた。
なぜこのイベントを企画したのか
まずは、教育改革の本気の熱量を浴び、自信をアップデートし、現場の立場からも青森の教育をアップデートしたいと思ったのがイベント企画のスタートだ。
約150年間、日本の教育システムは基本的に変わっていない。座学による一斉指導では、私自身限界を感じ、『学び合い』など、教師主導ではなく児童生徒主体の授業づくりを行うようになっていった。
しかし、学校の中は、歴史に裏打ちされたルール(これにもしっかりと価値はあるが…)集団行動などによる同調圧力に支配され、形状記憶の如く「改革」という変化を跳ね返し、結局は前年度踏襲。VUCA時代を生き抜く子の育成ができていないと強く感じるようになった。この教育システムの硬直化を打破し、改革していくことが急務である。
2023年夏、新青森県知事である宮下知事が青森県教育改革会議を設置したことを知り、私の思いと重なる部分が多くあり、参与である大谷先生にご登壇いただく運びとなった。青森県のトップが本気を出しているのであれば、現場の人間が動かないわけにはいかない。課題を自分事として受け止め、青森県の教育をアップデートしたい。その思いに尽きる。
セミナー企画前の自分
教育改革会議の存在は新聞で知っていたし、職員室でも教育関係の記事を切り抜いて校長が紹介してくれていたため、職員室で話題になることもあった。しかし、何が具体的に変わるかは会の立ち上げ段階では当然ゴールも見えず、「どうせ変わらないよね」というしらけた空気感を自分自身醸し出していたと思う。他人事であった青森教育会議で過ぎ去ろうとしていたところに、アンケート調査が来た。
入力は任意だが、協力を依頼してくれという形で再度青森教育改革会議のさざ波がやってきた。今までの改革とは何か違うぞと思う瞬間だった。QRコードを読み取り、即回答した。ただし、まだ他人事と言っていい程度の関わりだった。「アンケート」=「負担」という意識もあり「またアンケート調査かよ」という本音もあった。
その後、一気に自分事になった出来事がある。それは、教職員の回答率の低さである。詳細は控えるが、身の回りの先生仲間で、フォームのアンケートに回答していない人が多いことに気づいた。後で会議のアーカイブでわかったことだが、私が勤めている自治体は20%を切っていた。県が、これだけ動いているのに、このままで本当に改革は進むのか!?と今の疲弊している課題を抱えまくりの現場を思うと、少しでも教職員のため、子ども達のため、自分にできる行動を起こさずにはいられなかった。自分には学校CHLOOSがある。大谷先生にDMを送ってみよう。これが9月の上旬。
セミナー企画準備
教育改革を進める大谷先生の判断の速さには驚いた。DMを送って5分で快諾の返信があった。組織に所属すると、上司の許可が…など組織の縛りがどうしても付随してくる。私自身、「管理職に聞いてから折り返します」なんてことは常套句。しかし、趣旨に賛同していただき、即決できる立場と考えをもっている大谷先生に一気に引き込まれた。そして、教育改革会議のアーカイブ配信を見るようになった。
もし学校CHLOOSを通して大谷先生とつながっていなければ、この教育改革会議のアーカイブ配信すら存在を知らなかったかもしれない。すべての会に、委員のプレゼンがあり、これを無料コンテンツとして提供してることに驚いた。そして学びが日々あった。と同時に、青森の教育を変えるのは今しかない!と心の底から思うようになった。
セミナー開催とその後
セミナー参加者は20名と満席にはならなかったが、大谷先生の生の声をお届けすることができ、参加者の満足度は高かったと思う。そして、自己満足になってしまうが、セミナーを企画し、運営できたことは自己実現であり、満足度が一番高かったのは自分自身だと思う。自分を主語において、やることがこれだけ達成感と幸福感を生み出せるのかと思うと、この主体性こそ、今の教育活動で子ども達につけてあげなければならないコンピテンシーだと感じた。2040年を見据えた教育改革会議の中間報告といて、大谷先生から資料をもとにご教示いただいたが、今の自分は、以前よりも「自分は世の中を変えられる」と思う自分に近づいたと思う。
資料は、リンクから閲覧可能だが、やはり文章で伝えるのと声で伝えるのとでは、熱量が違うし、入ってくる情報量も違う。ぜひ、今後の教育改革会議も、アーカイブ配信は見逃さず視聴していきたいと思う。本当は直に聞きたいが・・・。
このセミナー企画を通して、多くの学びがあった。セミナーの内容に関わる学びが本当に多かったが、今回は、セミナ―主催者の立場から得られたものを3つ紹介したい。
①自分発信の学びこそ最高の学びになる
学びは本来楽しいもの。与えられることが当たり前の受け身型教育は学びが薄い。しかしそれが今の教育現場のシステムである。大人になっても自分自身で問いをもち、学ぼうとすることこそ、最高の学びだ。
②司会力は実践あるのみ
教師は教える型からファシリテーション型へと間違いなくシフトしていく。そう考えると、セミナーでの司会は、ファシリテイトする力を獲得すると同時に、令和型の授業の仕方を学ぶ場でもあると考える。私見だが、司会は実践あるのみ。やったもん勝ち。
③横のつながり・縦のつながり
改革には仲間は必須だ。セミナー参加者で新しいつながりが生まれた。横のつながりとして現場からどんどん改革の波を立てていきたい。また、縦のつながりも意識したい。職場の管理職に言っても改革できなければ、SNSの時代だ。あっという間に天井を突き破ることができる。もちろん、口だけでなく行動に裏打ちされた信用がなければ無意味だが、つながりの作り方は、無限大だ。セミナーの中でこの価値を再確認した。
学校CHLOOS|異業種×教育者の教育コミュニティ
従来の学校を問い直し、既成概念に囚われない「自由闊達で愉快なる教育」を探究・創造することを目的とした教育コミュニティ|学校や教師の在り方を変えたい人を繋ぎ、行動·参画を後押しする応援基地
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